プロフィール
菅原 法正
・令和元年 5月、本明寺別院 誕生
現代の日本人が日本の仏教について話をするとき、「葬式仏教」や「坊主丸儲け」等ネガティブなイメージの言葉を耳にすることも多いです。
私もお寺に勤めるようになり分かったことですが、昔からある格式あるお寺(歴史的建造物)はそれなりに維持・管理費などが必要になってきます。
それに伴い、お布施や寄付が高額になってしまうことが、日本仏教のネガティブなイメージを加速させているようにも思えます。
アメリカの教会はどのように建物の維持管理を行っているのでしょうか?
アメリカでは教会を維持管理する為、年間に様々な行事を行い(クッキー販売やクラフト販売等)、収益のすべてを教会の維持管理費に充て、その他教会の信徒なる人々に年間のメンバーシップ(護持会費のようなもの)を徴収しています。
アメリカの教会の牧師や日系寺院の僧侶は、信徒団体の理事会側が決定したお給料を毎月いただくわけですが、それは決して贅沢ができたり、毎月一定の額を貯金に回せるような金額ではありません。
しかし、だからこそ、アメリカでの聖職者という立場は、今日においても弁護士や医師と同等の扱いを受けているのです。
アメリカでの法事や葬儀のお布施について
アメリカの小さな寺院・教会でも儀礼に対するお布施はあります。例えばアメリカでお葬式を行う場合、寺院・教会へ渡すお布施は日本円で1万円から3万円です。
(アメリカではお布施という概念が無いので、寄付という感覚になります)
その中には交通費やいわゆる戒名代も含まれています。また、法事は回忌で行うこともありますが、毎年法事をされる方もいて、法事に対してのお布施は5千円から1万円です。
埋葬に関しては人それぞれですが、お寺の敷地内にある納骨堂に入られる方が増えています。そういった場合、年間のメンバーシップ(日本でいう護持会費)と、他4万円程を納め利用されています。
これを見た方の中には「何故日本のお布施は高額なのか・・」と不思議に思われる方もいるかと思いますが、アメリカ人から見ても同じ回答が返ってきます。中には、日本の高額なお布施は江戸時代の檀家制度の影響が大きいと解釈している人も少なくありません。
日本でのお布施の利用については、格式あるお寺の場合は特にその歴史的建造物に対して高額な維持・管理費がかかることは冒頭でも触れたとおりですが、おそらくその内訳が不透明であることが問題の一つであり、色々と改革を施さなければならないときが来ているとも感じます。
本明寺別院は格式あるお寺様とは違い、維持・管理費があまりかかりません。
私がこれまで経験してきた日本やアメリカでの様々な事例をもとに、その人にあった儀礼と、個人や家族に対して個別に、真摯に向き合っていければと思っています。
日々のご相談や終活に関わること、仏事に関するご相談等、お気軽にご連絡ください。